こんなに考え方似とるやつなかなか見つからんよ(本の紹介)

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最初は本当に偶然Amazonネットサーフィンをしていて見つけた著者、本だったんだけれど、その最新作もまた共感しまくりだったので、ここにメモする。 12 Commandments: For Extraordinary People To Master Ordinary Lifeというタイトル。全部読んでいるわけではないのだが、読むたびに、いやそうなんよ、となって読書が止まってしまう。今もそのタイミングでこれを書いているのであった。

この本は、12個のやった方がいいこと、みたいなことを書いてあって、いわゆる普通の啓蒙書というか、ビジネス書じゃん、と思うのだが、その共感度が段違いなのだった。普通のビジネス書とかだと、フーン、まあそうだよね、みたいになるのだが、この本だと、そう!、そう!そうなんだよそうなんだって、この考え方広まれ、とか思ってしまうくらい違うのであった。

抜粋してその12個のうちの1つを書いてみると、Burn Your Mapsという章がある。ここでいうMapsという概念は、要するに個々人が持つ世界への見え方、というものなんだけど、それがまさにみんな持った方がいいと思われるもの。定義をそのまま引用すると、Maps are collections of theories about life in the everyday, taken-for-granted sense. このMapsを持っていること自体をそもそも認識した方が良い、ということ。これはかなり抽象的な概念で、さまざまなことがこれに集約できると思う。Mapsを身につけるっていうのは、日々生きる中で経験、知識を身につけていくこととまあ等しい。学校で学ぶこと、常識、世間で良いとされていること、悪いとされていること、良いとも悪いともされていないこと、良いとは何かということ、悪いとは何かということ、その辺りを身につけていくこと。研究で論文とか執筆すると、この辺りの概念は分かりやすくなると思う。すなわち、世界の在り方自体は事実、結果(Result)として存在していて、その結果の解釈(Discussion)が、各々個人の持つMapsを通してのみ咀嚼されるということである。そして、Hanziはこの自分のMapが大きく変わる瞬間をいわゆるアハ体験だと言ってる。そうよね。

やはりポイントは、自分自身がそういうMapを通してしか世界を認識していないということ、個人個人が獲得するMapはそれぞれ差異があること、自分が今どんなMapを持っているか、過去はどうか、未来はこのMapがどうなっていくか、みたいなことについて、自分自身が認知しているのが重要、だということだと思う。現在地だけでなく、時系列的な変化も踏まえる。こういう考え方が身につくと、単にある現象、意見に対して、賛成反対とか、俺はこれがいいと思うとか、私はあれがいいとか、そんな簡単なことではなくなってくる。他の人や現象と関わる上で、彼ら彼女らは現在どんなMapを持っているのか、それらをどう獲得したのか、という視点が一個加わることになる。

みんな違う意見、違う世界の見方をを持っているなんて当たり前のような気もするが、それをしっかりと認知して自分の思考の中に入れることが出来ている人なんてほとんどいないと思われる。それが出来たら何がいいのか?っていう話になると、難しいが、より世界が平和に近くなると思う。 Hanziはその中で、さらに一歩突っ込んで、みんなそのMapsがどのようにそもそも形成されるのかという、Mapsに対するMapsが必要と説いている。そうなんよ。そうなんよ。すべてはメタなんよ。でさらに、それを燃やせと、捨てろと。なぜ?それは続きを読んでみてくださいね。しかし、やはり言葉遣いが上手い。日本語でもこんなん書けんわ。やっぱ常日頃ずっと読んだり書いてたりしないとあかんのやろなあ。

僕は個人的にここに神経科学/情報科学的な知見も加えたいと思うけどね(俺のMap発動)。こういうものの考え方、見方みたいなのが、じゃあ脳みその中で何が起こっていると解釈できるのか、巨大言語モデルにメタい考え方みたいなのが育っているとしたら、そのモデルのパラメータはそうじゃないモデルのパラメータと比べてどんな分布の違いが見られるのか?みたいな話に興味がある。すべてはメタになるっていう小説書こかな。

これくらいにキレキレの章があと11個もあるんで、ぜひ読んでみてhosii。Hanziは他に重たい本が2冊あるので、そちらもおすすめです。まさにアハ体験が得られると思います。